子育て・親子関係

過保護な親の心理的盲点

最近の受講生さんの傾向として、過保護による苦悩があります。
過保護に育ててしまったことによる子どもの不具合もあれば、
過保護に育てられたことで苦しみを背負っているケース。
これらに共通しているのが、過保護にした側の罪の無自覚さです。
悪意無き罪人ほど質の悪いものはありません。

加害者が、ご自身をむしろ被害者と認識していることもよくあります。
本人が無自覚なので現状的に変わりようがないのです。
《その過保護はお子さんを苦しめていますよ》と言うと、こういう言葉が返ってくることがあります。
「ワタシがどんなにこの子の為を思っているか解らないのですか?!」
いえいえ、解ってないのはあなたですけど(苦笑)。
というワケで、過保護と支配の罪について考察したいと思います。

自分にだけ見えない自分の欠点が誰にでもある

ワタシの彼は建設系有限会社の創業者です。
こういうことをたまに言います。
「バブルの時期にはまだ起業してなくてよかった。あの時代、サラリーマンで汗水流していた。あの頃もしも今の会社を立ち上げていたら、簡単に儲かって、弱い経営体質になっていたにちがいない」
簡単に儲かって、簡単に仕事がやってきて、、、こういう体験をした会社は、逆風が来たときに弱いですから、その後の不況で次々倒産していきましたね。
植物も、むやみやたらに肥料や水を与えたら、弱く育って実りもなければ根腐れします。
人間も同じ。
過剰な保護で立派に子が育つどころか、こどもの根っこ(根性)を腐らせます。
折角生まれてきた時には可能性の宝庫だった子どもの脳が壊されてしまいます。

簡単に利益が出ることは一見良いように見えますが、現象には必ず2極の視点が必要です。
2極の視点を常に持つことって、なかなか難しいので、世の中にはプロが存在しています。
こういった盲点のことを、スコトーマーと呼びます。
経営のスコトーマーを経営者に指示し改善するのが、経営コンサル。
心理的スコトーマーをクライアントに指摘し、人生を改善するのが心理カウンセラーです。

夫婦は互いのスコトーマーを指摘しあう同志である

子育てでどちらかが過保護をしてしまっている時、もう片親がそれにすかさず気づき、指摘すれば過保護の害は防ぐことができます。
逆に、過剰に叱りつけて感情的に支配してしまっている時なども同様です。
ところが気づいていても何も言わない、何も言えない夫婦がいます。
これを言ったら相手が気を悪くする。
これを言ってもどうせ聞いてもらえるわけがない。
こういった夫婦は、もはや子育てをするタッグが機能していません。
折角相手の欠点に気づくことができても、自分が嫌われる役を請け負いたくないという我欲が働き、こどもを犠牲にしてしまいます。

せめてご自身が言えないのなら、第三者のプロに頼ることも考えてくださると良いのですが、
その際はお二人で信頼できるカウンセラーを選んでおくことをお勧めします。
「このカウンセラーの指摘なら受け入れたい!むしろどんどん指摘してほしい!」という人を選んで下さい。
折角の助言を拒絶するなら双方にとって無意味ですので、最初の見極めを大切になさってください。
そして一度この人の助言を受けると決めたら、少々耳に痛いことを言われても素直な気持ちで受け入れること。
心理的盲点を見逃すから、人は真の成長が出来ませんが、逆にスコトーマーを克服すると人格が一段上がり、現象が変わります。

過保護と言う自己満足にひたるエゴイスト

昨今目につく過保護な親による子ども潰しは、世間にはびこる「褒めて育てる育児」の弊害ではないか?と思います。
確かに子どもの自己肯定感を育てるために、褒めて育てることのプラス面は在ります。
ですが同時に、世の中の厳しさも体験させておく必要があるのも事実です。
学校生活にすら適応力を失っている不登校児も右肩上がりで増えている状況です。
学校って、まだまだ「学生はお客様扱い」であるにも関わらず、既にそこに馴染めないなら、
その先の社会の荒波を渡れるわけが無いとワタシは思います。

これはワタシ自身も新卒で会社員になった時にどぎつい洗礼を受けました。
学生時代は男女平等。
会社は完全に男尊女卑が当たり前の古い世界。
建設系に就職した自分の世間知らずさをその後ワタシは嘆き、後悔しました。
つまり、社会は理不尽にまみれた世界でした。
さほど過保護に育てられたわけでないワタシですら、理不尽パンチに打ちのめされたのですから、
過保護に育てられた子ども達が些細なことでフリーズするのは当然の道理です。

厳しさを家庭で体験する重要性

厳しさと優しさ、どちらも揃ってワンセット。
地球は2極ルールがある星です。
表だけの紙がないのと同じように、優しさだけでは社会人として巣立つことができません。
ライオンや鷹など、食物連鎖の頂点にいるような動物だって、
子ども達に狩りの仕方を教えます。
可愛い我が子の将来の為に、今本当に必要なことを教えています。
親が適切な補助をしながら、徐々に自分で獲物が取れるように躾けています。

過保護とは、いつまでもいつまでも親が獲物を取ってくる前提なので、子どもは自立ができません。
つまり過保護とは、親が親に依存させるためのエゴが働いていると言えます。
困る状態をわざと作って、それを親が補填することによって依存されたい、自分からいつまでも自立できない状態を作り出しているのです。
自立できない大人子ども。
親離れできない状態を作り、親の側が「やっぱりこの子には自分がいなければダメなのよ」と納得しようとしているようなものですね。
大人になりきれない心理的な幼児性を隠し持つ成人を、アダルトチルドレンと言います。
ピーターパン症候群とか、子ども部屋オジサン(オバサン)という呼ばれ方も最近ではするようです。

いつまでも経っても結婚してくれないと嘆く親

過保護に育てられてしまった子どもは立派な被害者なのですが、最初に書いた通り過保護にした親の側が自分を正しいと思い込んでいるケースは解決が非常に困難です。
このタイプの子ども達は自分で恋愛もなかなか成就させることが出来ません。
何もかもおぜん立てされて生きているので、自分で壁を乗り越える体験が極端に不足しています。
つまり男女ともに自分に自信がありません。
なので恋愛に奥手で、結婚も当然なかなか出来ません。
なのにこういった息子や娘を持つ親は、こぞって「孫が早く見たい」「うちの子どもはどうして結婚してくれないのだろう?」と悩んでおられます。
あなた方親が蒔いた種が育って実ったんですけどね、、、。

悩みが発生した時に大切なのは、目の前の現実(悩み・不快な状況)は、全て自分が原因であると認めることからスタートします。
感情的になり「自分は悪くない」と自己を正当化したくなる心情はお察しするのですが、そこにフリーズしている限り現実は一ミリも動きません。
本来、13歳を越えた子どもの脳は完成されていますので、そこから親が過保護を止めても既に手遅れではあります。
でもこの先、子どもが自らの意思で立ち直ることもあるでしょう。
立ち直った子どもが結婚し、子をもうけたら、その時は同じ過ちを繰り返さない祖父母に成長してください。
最後にもう一度かきます。
過保護は相手の為ではなく、自己満足にひたりたい弱い人間のエゴ(自我)に過ぎません。

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